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『習慣の力 The Power of Habit』を読んで

2017-12-25 10:00:00 +0900
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『習慣の力 The Power of Habit』を読んだ。なんで今このタイミングで読んだのかというと、引っ越してから家でダラダラする時間が増えてしまった気がしたので。変な習慣が付いてしまったなと。

習慣とは

この本で扱う習慣とは、「ある時点で意図的につくり、やがて考えなくても毎日何度も行うようになるもの」ということ。

よりこの「習慣」を分解すると、「きっかけ→ルーチン→報酬」というサイクルのこと。例えば、疲れたなというタイミングでベットに移動して(きっかけ)、ニュースアプリをダラダラ読んでしまう(ルーチン)。そして、このニュースアプリを読んだことで、ちょっとリラックスできる(報酬)というサイクルが何も考えずにグルグル回ってしまうような状態。

この習慣は、脳の省エネのためにあると考えられている。特に基底核というのが関係しているらしい。脳のことは詳しく分からないが、少し先の記憶を保持することも困難になってしまった人でも、「習慣」というのは新しく身につくことがあるので、習慣は記憶や理性と同じように私達の行動の根本にあるもの。この習慣が強力なのは、報酬を求めて神経学的欲求を想起するため、単純に抗うのは難しい。

習慣を生んで成功した例

「習慣」は上記の「きっかけ」、「ルーチン」、「報酬」が結びつき、この「報酬」を期待するようになると形成されていく。

運動が習慣化できていると思っているグループの92%が「気持ち良い」から運動を続けているという例がある。当たり前と言えば当たり前だが、ダイエット目的とか健康のためにという、報酬がすぐに実感しづらい目的ではなく、よりすぐ得られる快感を目的にすれば習慣化に成功しやすいということかもしれない。自分も運動が習慣化しているが、この点には納得感はある。

他の例に「ファブリーズ」がある。発売当初、臭いを消すことができるという面を訴求して売り出したが、鳴かず飛ばずだった。これには、そもそもクサイ臭いに対して人間は慣れてしまっているので(家の獣臭etc)、そこにファブリーズで消臭するという習慣が形成されにくいという仮説があったよう。そのため、新たな訴求としてお掃除終わりにファブリーズで〆るということを提案した。「掃除(きっかけ)→ファブリーズ(ルーチン)→良い臭い(報酬)」というサイクルが回り、ユーザーを確保することができた。偶然臭いを消すことができるという発見から生まれたファブリーズが、良い臭いという報酬を訴求することにより、市場を開拓していったというのは面白い。

習慣を変える

習慣を改めるのは難しい。そのため、同じ「きっかけ」、同じ「報酬」において、ルーチンだけを変えるというスタンスの方が成功しやすい。

AA(アルコール依存症更生会)という組織は、アルコール依存症の方のアルコールを摂取する習慣をそのように改善している。まずは、その会合において、アルコール摂取習慣を助長する「きっかけ」と「報酬」を自分で突き止めさせる。そのことにより、新しいルーチンを見つけることを手助けする。ストレスを感じることがアルコールを摂取してしまう「きっかけ」なら、それを自認することにより、そのタイミングに運動するという新しい「ルーチン」に組み替えるということを試す。

習慣を変えるには、きっかけと報酬を認識し、ルーチンを入れ変える。そして、それをが出来るということを信じることも大事。これを達成するために、同じ目標(ex. タバコを辞める)をもったコミュニティに参加するということも有効。

参考